“家族のために”が、いちばん私の命を削っていた話と介護サービス

ワンオペ介護・子育て中に乳がんを告知された私 。私は自閉症の息子と、要介護3の母と3人暮らし。
いわゆる“ワンオペ介護 × ワンオペ育児”状態でした。毎日はバタバタ。
デイサービスの準備、自閉症の息子の、通院、家事。
正直、「私が倒れたら終わる」と思っていました。
そんな中で告げられた、乳がん。

でも私の最初の感情は
恐怖よりも罪悪感でした。「今、入院なんてしていられない」
2週間の入院が必要だと言われても、頭に浮かんだのは治療より生活。
私は友達に言いました。
「途中で家に帰ろうかな…」今思えば、完全に“共倒れ思考”でした。
友達は私を叱りました。
「あなたは盲腸じゃない。命にかかわる病気なの。」そして言いました。
「レスパイトだと思いなさい。
家のことは私も協力する。」その言葉で、やっと気づいたんです。
私は“家族のために”自分を削ることが正解だと思い込んでいました。

でも違った。
私が治療を後回しにしたら、本当に起きるのは「家族を守ること」ではなく共倒れです。
介護も育児も、続けるには“土台”が必要。その土台は私の健康でした。
介護や子育てをしていると、
・休むことに罪悪感がある
・支援制度を使うのが申し訳ない
・自分の治療より家族を優先するのが当たり前
そう思いがちです。
でもそれは美徳ではなく、危険な思考かもしれません。

入院は逃げじゃない。
支援を頼るのは甘えじゃない。
それは“継続するための戦略”。家族を守りたいなら、まず自分を守る。
あの日の私は、それを知らなかっただけでした。
介護者が入院するときに使える支援制度まとめ

共倒れを防ぐための現実的な選択肢 。
介護者が倒れると、家族は一気に不安定になります。
でも日本には、想像以上に「一時的に支える制度」があります。
① ショートステイ(短期入所生活介護)
要介護認定を受けている人が、数日〜数週間施設に宿泊できるサービス。
食事・入浴・排泄介助あり
医療的ケアが必要な場合は医療型ショートもあり
介護保険が使える。
👉 入院が決まったらまずケアマネジャーに相談
② 緊急ショートステイ
急な入院や体調悪化など“緊急性がある場合”に優先的に利用できることがあります。
自治体ごとの枠があるため、市役所の介護保険課に直接確認が早いです。
③ レスパイトケア
「介護者の休息」のための支援。レスパイトケアとは?介護者が「倒れる前」に知っておきたい本当の意味。
「レスパイト」という言葉を知っていますか?
レスパイト(respite)とは、
“一時的な休息”という意味です!
つまりレスパイトケアとは、
👉 介護する人が休むための支援制度
介護される人のためだけではありません。
介護を続けている“あなた”のための制度です
入院は、立派なレスパイト理由です。
罪悪感を持たなくていい制度。
④ 訪問介護(ヘルパー増回)
入院中だけ回数を増やせる場合があります。
ケアプラン変更で対応可能なことも。
⑤ 高額介護サービス費制度
高額介護サービス費制度
ざっくり言うと
👉 1か月の介護サービス自己負担が上限を超えたら、あとから払い戻される制度
どんな時に使えるの?
たとえば…
などの 介護保険の自己負担分 が対象。
※食費・居住費・日用品代などは対象外。
上限はいくら?
世帯の所得によって違います。
例(目安)
一般世帯 → 約 44,400円/月
住民税非課税世帯 → 約 24,600円/月
低所得者 → 15,000円程度
※世帯合算になります。
⑥ 自立支援医療・障害福祉サービス(子どもが障害児の場合)
自閉症などで療育・支援を受けている場合
短期入所(障害児ショートステイ)
放課後等デイサービス
移動支援
が利用できる可能性あり。
👉 市町村の障害福祉課へ相談。
⑦ 入院時の「限度額適用認定証」
👉 高額な医療費を、最初から自己負担限度額までに抑えてくれる。
本来は、いったん高額を払う
あとから「高額療養費制度」で返金
ですが、
これを持っていれば窓口での支払いが最初から上限額までになる入院前に絶対やっておきたい手続き。
💰 どれくらい安くなるの?
自己負担限度額は年収で決まります。
たとえば(70歳未満・年収約370〜770万円の場合)
👉 約 8〜9万円+α
もし医療費が100万円かかっても
支払いはこの上限まで。
※食事代・差額ベッド代は対象外なので注意
⑧ 民間の家事代行・地域ボランティア
民間の家事代行サービス
介護保険ではできないことを補ってくれます。
✔ できること
※介護保険は「本人支援」が原則なので
同居家族の分の家事は基本NG。
そこを民間がカバー。
💰 料金目安(全国相場)
1時間 2,500〜4,000円前後
交通費別の場合あり定期利用だと割安になることも。
代表的な会社例
地域密着型の小さな事業所も意外と穴場。
地域ボランティア・支え合いサービス
実はこっちが“穴場”。
✔ 例
料金は
🪙 1時間500〜1,000円程度のことも。
ただし「できること」は団体によってかなり差があります。
大事なこと
介護者の入院は「想定外」ではありません。
“起こりうること”です。
頑張る人ほど「私が倒れたら終わる」と思ってしまう。
でも本当に終わるのは、制度を知らずに無理をしたとき。
※制度内容は自治体により異なります。必ずお住まいの市区町村・ケアマネジャーへ確認してください。
入院前チェックリスト(介護者版)
― 共倒れを防ぐための準備リスト ―
※印刷・保存推奨
【STEP1】まず最優先でやること
【STEP1】まず最優先でやること
☐ ケアマネジャーに入院日を連絡
☐ 入院期間の目安を伝える
☐ 緊急ショートステイの空き確認
☐ 介護保険サービスの増回相談
☐ 主治医に診断書が必要か確認
👉 「とにかく連絡」が最初の一歩。
【STEP2】家族の生活を止めない準備
☐ お薬のリスト作成
☐ 1週間分の服薬セット
☐ デイサービスの持ち物準備
☐ 緊急連絡先リスト作成
☐ 食事宅配の検討
☐ 冷蔵庫に「見えるメモ」貼る
(例:ゴミの日・デイの日・服薬時間)
【STEP3】障害児がいる場合
☐ 放課後等デイサービスへ相談
☐ 短期入所(ショート)空き確認
☐ 移動支援の利用可否確認
☐ 学校へ状況説明
👉 「事情を伝えるだけ」で支援が増えることも
【STEP4】お金の確認
☐ 限度額適用認定証の申請
☐ 高額介護サービス費制度の確認
☐ 医療保険・共済の給付確認
☐ 入院中の支払い方法整理
【STEP5】意外と忘れがち
☐ ゴミ出し
☐ 猫・ペットのごはんストック
☐ 電気・ガスの自動引き落とし確認
いちばん大事なチェック項目
☐ 「私が倒れたら終わる」という思い込みを手放す
制度はあります。
支援もあります。
完璧に整えてから入院しなくていい。6割できたら、十分です。
介護者さんへ

入院することは、逃げることじゃない。
治療を優先することは、責任を手放すことでもない。
それは、これからも大切な人と一緒に生きていくための「前向きな選択」。
あなたが元気でいること。
それが、家族にとって何よりの安心であり、支えになります。
どうか一人で抱え込まないで。
使える制度は、あなたのために用意されています。
遠慮せず、堂々と、利用してください。

