【体験記】「検診しているから大丈夫」とは限らない ― 浸潤性小葉がんを経験して

私は定期的に乳がん検診を受けていました。
それでも数か月後、「浸潤性小葉がん」という診断を受けることになりました。
乳がん検診は確かに大切です。けれど、それだけですべての乳がんを早期に見つけられるとは限りません。
今回は、私の体験をもとに、「自分の身体の変化に気づくことの重要性」についてお伝えしたいと思います。
小さな違和感 ― 検診直後に見つけた「へこみ」

ある日、鏡の前でふと気づいたのは、左胸の乳首あたりが少しくぼんで見えることでした。
指で触れるとチクチクとした違和感がありました。
けれど、「つい最近、乳がん検診を受けたばかりだし」と、そのときは大きな不安もなく様子を見てしまいました。
痛みとともに感じた違和感の変化
しばらくすると、違和感は痛みに変わっていきました。「がんは痛みを伴わない」とよく言われますが、実際には腫瘍が神経や皮膚を刺激して痛みを感じる場合もあります。
私の場合もそのパターンだったようです。
ある日、飼っている猫が左胸に飛び乗った瞬間、強い痛みが走り、思わず息をのみました。
これをきっかけに、「やはり何かおかしい」と感じ、受診を決意しました。
画像診断に特化した病院での検査
検査をお願いしたのは、乳腺・画像診断に特化したクリニックです。
予約を取ったのは夏でしたが、人気の高い施設で、年末までほぼ満員というほど混み合っていました。
ようやく受けられた検査の結果、エコー(超音波)で約6mmの“何か”が確認されました。
医師による触診でも「硬さがある」との所見があり、「悪性の可能性があるため、精密検査を受けましょう」と、すぐに大学病院を紹介されました。
大学病院での針生検 ―「浸潤性小葉がん」と診断

大学病院で針生検(組織検査)を受けた結果、乳がんと診断されました。
先生は私に軽く「がんです」と告げましたが、私はその瞬間、体が震え上がり、声が出ませんでした。
その後の詳しい病理検査により、診断名は「浸潤性小葉がん(Invasive Lobular Carcinoma)」であることが確認されました。
浸潤性小葉がんについて
このがんは、周囲の組織にじわじわと広がる傾向があり、画像上の境界が不明瞭です。
そのため、定期検診でも見つからない場合があるとされています。
参考:日本乳癌学会「乳癌取扱い規約 第20版」
「検診しているから安心」ではない理由

私は「定期検診を受けているから大丈夫」という思い込みがありました。
しかし、乳がんの中には画像検査で発見しづらいタイプが存在します。
これは技術の問題ではなく、がんの性質そのものによるものです。
検診は非常に重要ですが、100%の精度ではありません。
だからこそ、自分の身体に「違う」「おかしい」と感じたら、
検診直後でも迷わず再受診すべきだと感じました。
自分の感覚を信じ、行動することの大切さ

医療が進歩しても、最初に異変を察知できるのは自分自身です。
私は以下のような「小さな変化」を見逃さないことが、早期発見につながると実感しました。
これらは必ずしもがんというわけではありません。
ただし、「いつもと違う」ことに気づいた時点で相談することが、自分を守る第一歩です。
早期発見のためにできること
おわりに

「浸潤性小葉がん」は発見が難しいがんです。
それでも、早く見つければ適切な治療が可能です。
私は今回の経験を通じて、「検診を受けること」だけでなく、「自分の体をよく観察し、異変を見逃さないこと」が本当の意味での予防だと学びました。
どうか皆さんも、「検診したから大丈夫」ではなく、「なんかおかしい」と思ったらもう一度調べてみましょう。
その一歩を、どうか大切にしてください。

