【完全版】特別障害者手当を受け取れる人とは

以下では、「特別障害者手当」について、専門的かつ実務的な観点からさらに詳しく解説します。制度の背景、認定基準の実際、診断書内容、他手当との併給制限、所得計算の仕組みなどを包括的に説明します。
―制度の目的・受給条件・診断基準・手続きまで徹底解説―

1. 制度の概要と目的
制度の位置付け
「特別障害者手当(とくべつしょうがいしゃてあて)」は、重度の障害によって日常生活において常時特別の介護を必要とする20歳以上の人に対して、国(厚生労働省)が支給する現金給付型の手当です。
制度根拠は「特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和39年法律第133号)」に基づきます。
児童期の障害を対象とした「特別障害児手当」と対になる成人用の手当です。
支給の趣旨
重度障害者が抱える以下のような日常的・経済的負担を軽減することを目的としています:
このため、障害基礎年金とは異なり、所得保障ではなく生活支援目的の定額給付という特徴を持ちます。
2. 受給資格の詳細

(1)基本要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 20歳以上 |
| 居住 | 日本国内に住所を有する(外国籍でも在留資格により対象可) |
| 状態 | 障害・疾病により、常時他人の介護を要するほど重度の障害 |
(2)対象となる障害の種類と程度
障害の種類に制限はありません。
身体障害・知的障害・精神障害・難病・高次脳機能障害など幅広く対象になります。
ただし、重要なのは「障害の種別」よりも、その生活上の困難度(介護必要度)です。
主な認定の目安(厚生労働省基準より)
さらに、複数の障害を併せ持ち、身体機能・精神機能の両面で介護が必要な場合も対象になります。
3. 支給制限(除外条件)

以下に該当する場合、手当は支給されません。
(1)施設入所・長期入院
(2)所得制限
前年の所得が一定額を超える場合、支給停止となります。
扶養親族・配偶者の所得も影響します。
所得制限限度額(令和6年度目安)
| 扶養親族の数 | 本人 | 配偶者・扶養義務者 |
|---|---|---|
| 0人 | 約3,604,000円 | 約6,287,000円 |
| 1人 | 約3,984,000円 | 約6,536,000円 |
| 2人 | 約4,364,000円 | 約6,749,000円 |
| 3人 | 約4,744,000円 | 約6,962,000円 |
所得=収入-必要経費(控除)で計算され、医療費控除や障害者控除なども適用されます。
端的に言えば、「扶養家族が多いほど限度額は高くなります」。
4. 手当の支給内容
支給額
2月の支払い=前年11~1月分というように、3か月分をまとめて支給されます。
5. 申請方法と手続き
(1)申請先
住民登録地の 市区町村役場の障害福祉課、または 福祉担当窓口。
(2)提出書類
(3)審査・認定
都道府県または指定都市による医学的・生活的調査を経て認定されます。
認定には1〜3か月程度かかる場合があります。
6. 診断書の内容と認定のポイント

診断書は、制度専用の「特別障害者手当診断書」様式を使用します。
医師に記載してもらう主な項目
審査で重視される点
7. 他の制度との関係(併給制限)
重複して受け取れない主な手当
以下を受けている場合は、同時に特別障害者手当を受けることはできません。
ただし、障害基礎年金・障害厚生年金との併給は可能です。
両方を受けている方も多くいます。
8. 定期的な届出と更新
受給開始後も、以下の届出を怠ると支給が停止されます。
現況届では、介護の実態が変化していないか確認されることがあります。
9. 審査で不支給となった場合
もし申請しても認定されなかった場合、
異議申立て(再審査請求)が可能です。
異議申立ての流れ
根拠資料(追加診断書・介護記録など)を添えると、再審査で認定される例もあります。
10. よくある質問(FAQ)

できます。手帳の有無は直接の条件ではありません。診断書で状態を証明します。
病状の重さや介護の必要性が基準に該当すれば対象となることがあります。
できます。ただし、扶養者の所得も審査対象に含まれます。
年金は「所得補償」、手当は「生活支援給付」という位置づけです。両方の受給は可能です。
11. まとめ:特別障害者手当のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 20歳以上で、常時特別の介護が必要な重度障害者 |
| 支給額 | 月額29,590円(令和6年度) |
| 支払い | 年4回、3か月分まとめて |
| 所得制限 | あり(前年所得で判定) |
| 申請先 | 市区町村役場・障害福祉課 |
| 手帳の有無 | 不問(診断書で判定) |
最後に

特別障害者手当は、「日常の介護を必要とするかどうか」が最大の判断基準です。
したがって、医師の診断だけでなく、在宅介護・日常生活の実態を具体的に申告することがとても重要です。
申請にあたっては、医療機関と窓口職員の両方に相談しながら、資料を丁寧に揃えることをおすすめします。
