飼い主の病気を教えてくれた愛猫たまちゃんの不思議な行動

お久しぶりです。
長いあいだブログから離れてしまいましたが、こうしてまた画面の向こうで、皆さまと文章を通してつながれる日が戻ってきました。お元気でお過ごしでしょうか。
実はわたくし、ままんは、令和6年に病気を患い、しばらくの間、パソコンの前に座ることも、文章を紡ぐことも難しい時期が続いていました。頭の中には書きたいことがたくさんあるのに、体も心もついてこないそんなもどかしい日々です。
それでも今、こうして再びキーボードを打てているのは、そばで見守ってくれていた愛猫・たまちゃんのおかげだと、本気で思っています。
人間の医師とは別に、私には「もうひとりの主治医」がいます。小さくてふわふわで、言葉を話さないけれど、とても優秀な“猫ドクター”です。

今日は、そのたまちゃんの不思議な行動と、そこから見つかった私の病気のこと、そして猫たちに救われた命のお話を、少し長くなりますが書いてみようと思います。
動物って本当にすごい…そう実感した体験談です。
よかったら、最後までお付き合いくださいね。
365日、5年間続いた「午前3時のフミフミ診察」

午前3時ごろ。
外はまだ真っ暗で、世界全体が寝息を立てているような時間帯。
その静けさを破るように、私のお腹の上にふわっと小さな重みが乗ります。
そう、たまちゃんの登場です。
私とたまちゃんの暮らしは、もうすぐ6年目に入ろうとしています。
おっとりしているけれど、甘えん坊で、そして何より「フミフミ」が大好きな子です。
たまちゃんのルーティンは、とても規則正しいものでした。
ここ5年間、ほぼ365日欠かさず、午前3時になると私のお腹から胸のあたりにかけて、前足でリズミカルにフミフミを始めるのです。
ときにはゴロゴロと喉を鳴らしながら、真剣な顔でフミフミ。
それは、まるで「今日も異常なーし!」と点検しているかのようでした。
猫のフミフミといえば、子猫のときにお母さんのおっぱいを押してミルクを出してもらう行動の名残、とよく言われますよね。安心しているとき、甘えたいときに出る仕草だとも聞きます。
私も最初は、「あらあら、今日も甘えん坊タイムね」と、眠い目をこすりながら受け止めていました。
お腹から胸、特に胸のあたりを入念にフミフミされて、「たまちゃん、そこ好きねえ」なんて笑っていたのです。
ところが、この“いつものフミフミ”が、ある日を境に、少しずつ様子を変えていきました。
5年目のある日──左胸ばかりを気にしはじめたたまちゃん

5年目のある日からです。
それまで胸全体を満遍なくフミフミしていたたまちゃんが、なぜか「左胸」だけを集中的にフミフミするようになりました。
「あれ?今日は左側ばっかりだな」
そんな小さな違和感から始まりました。
そのうち、フミフミされている左胸のあたりが、チクチクとした妙な痛みを感じるようになりました。
でも、そのときの私は、
「寝相が悪くて変なふうに体勢崩したのかな」
「たまたま当たりどころが悪かっただけかも」
と、自分に言い聞かせて、あまり気にとめませんでした。
触ってみても、はっきりとした「しこり」のようなものは感じません。
見た目も特に変わった様子はないし、痛みも一瞬チクッとする程度。
「きっとそのうち治るわ」と、忙しさにかまけて放置してしまったのです。
今思えば、この「なんとなく気になるけど、まぁ大丈夫だろう」が、一番怖いサインだったのかもしれません。
ダイブ一発で走った、いままでにない痛み

そんな「放置モード」のまま過ごしていたある日。
事件は、突然起こりました。
いつものように私の上に乗ったたまちゃんが、なぜかその日は勢いをつけて、上から左胸めがけてドーン!とダイブしてきたのです。
その瞬間
「いっ……!!」
言葉にならないような鋭い痛みが、左胸、ちょうど乳首のあたりから全身に走りました。
今まで感じたことのない、奥のほうをえぐられるような痛みでした。
「たまちゃん、そこはやめて!乳首だから痛いのよ!」
と、半分冗談まじり、半分本気でたまちゃんをどかしながらも、内心では少しざわざわしていました。
ですがそのときの私は、まだ「乳首に直撃したからだろう」と自分を納得させ、結局そのまま様子を見ることにしてしまいます。
ところが、それからです。
たまちゃんが、ますますしつこく左胸を狙うようになったのは。
毎日のように左胸にダイブしたり、上から前足でぎゅうっと押さえつけたり。
それはもう、「ねぇ、ここ、おかしいよ?気づいてよ」と言っているようにも感じられるほど、左側だけを集中攻撃してきました。
眠い夜中、痛みで「ううっ」とうなりながらも、まだ私はその意味を本当には理解していませんでした。
何もしていなくてもチクチク……乳腺外来で見つかった「6ミリ」

やがて、状況はもう一段階進みました。
たまちゃんが何もしていないときでも、左胸にチクチク、ズキッとした痛みが走るようになったのです。
座っていても、横になっていても、ふとした瞬間に走る違和感。
「これはさすがに、おかしいかもしれない」
ようやくそう感じた私は、重い腰を上げて乳腺外来を受診することにしました。
触診、エコー、検査……。
一通り検査を終えたあと、医師の口から告げられたのは、予想していなかった言葉でした。
「左乳首の下に、小さな腫瘍があります。大きさは6ミリほどです」
6ミリ。
たったそれだけの大きさの異変に、たまちゃんは反応していたのでしょうか。
さらに詳しい検査の結果、その小さな腫瘍は「癌」であることがわかりました。
頭が真っ白になる、というのは本当にあるのですね。
医師の説明を聞きながら、心ここにあらずの状態。
けれど、かすかに残った意識のどこかで、たまちゃんの真剣な目つきと、あの執拗なフミフミを思い出していました。
ステージ1で見つかった命「猫ドクター」に救われたかもしれない私

検査結果によると、幸いにも癌のステージは1。
リンパへの転移も見られませんでした。
ただ、場所や性質などを総合的に判断した結果、私は左胸の全摘手術を受けることになりました。
去年、左胸とお別れをしました。
もちろん、手術に踏み切るまでには、たくさん悩みました。
体の一部を失うことへの恐怖や喪失感、不安……。

それでも、まだ間に合ううちに見つかったからこそ「選べた治療」でもあるのだと、今では思えます。
もし、たまちゃんと暮らしていなかったら。
もし、あのチクチクを全部「大したことない」と流し続けていたら。
おそらく私は、乳癌のサインを見逃し、気づいたときにはもっと進行していたかもしれません。
猫には、人間にはわからない何かを感じとる力があるのです。
都市伝説のように聞こえるかもしれませんが、私自身の体験からは「ある」としか思えないのです。
たまちゃんの執拗なフミフミとダイブは、結果的に私を乳腺外来へと向かわせ、命を守るきっかけを作ってくれました。
たまちゃんに、本当に命を救われた。
そう言っても、大げさではないと思っています。
これからの時間を、大切に生きると決めた日

手術を終え、経過観察と治療が続くなかで、私はしみじみと考えるようになりました。
「この命は、たまちゃんが繋いでくれたんだな」
猫たちと暮らす毎日は、ただ可愛いだけではなく、私にとっては「生きる意味を思い出させてくれる時間」でもあります。
これからも、たまちゃん、チコちゃんと一緒に、できるだけ長く、楽しく、笑って過ごしたい。

そのためにも、いただいた命を雑に扱わず、無理をしすぎず、自分の体をもっと大切にしていこうと心に決めました。
朝、猫たちがご飯をねだってくる声。
昼下がり、窓辺で並んで日向ぼっこする姿。
夜、布団にもぐりこんできて、ゴロゴロと喉を鳴らす小さな重み。
そのひとつひとつが、「生きていてよかった」と思わせてくれる宝物です。
たまちゃん、チコちゃん、これからも末永く、一緒にのんびり楽しく暮らそうね。
そして、あの日あの時、左胸を一生懸命フミフミしてくれて、本当にありがとう。
最後に10年の薬と、毎日の「フミフミ検診」

私の治療はまだ続いています。
これから10年ほど、お薬を飲み続けなければなりません。
もちろん、副作用がつらい日もあるでしょうし、不安に押しつぶされそうになる夜も、きっとまたやってくると思います。
それでも、今の私は一人じゃありません。
ベッドの上では、優秀な乳腺外科ドクター・たまちゃんが、毎晩のようにフミフミ検診をしてくれています。
「今日も異常なし?」と聞くと、「ニャッ」と一声。
それだけで、少し心が軽くなります。
本当に、猫って不思議です。
言葉は話せないのに、ちゃんとこちらの心や体の変化に寄り添ってくれる。
科学では説明しきれない何かが、彼らにはあるのかもしれませんね。
ブログ再開と、皆さまへのお願い

長いことお休みしてしまったブログですが、これから少しずつ、また書いていこうと思います。
更新ペースは以前のようにはいかないかもしれませんが、マイペースで、猫たちとの暮らしや、病気との付き合い方なども交えながら綴っていくつもりです。
もしよろしければ、これからもそっとのぞきにきていただけると嬉しいです。
応援のひと言や、皆さまの猫ちゃんのお話なども聞かせていただけたら、なおのこと励みになります。
読者の皆さま、どうか過度に心配なさらないでくださいね。
私は、猫たちのおかげで、毎日笑って暮らしています。
そして、画面の向こうにいるあなたの猫ちゃんたちにも、私自身がたくさん癒やされています。本当にありがとうございます。
コメントももらえると嬉しいです。
すぐにお返事できないこともあるかもしれませんが、いただいた言葉は一つひとつ、大切に読ませていただきます。
猫ちゃんを大切に、そして「飼い主さん自身の身体」ももっと大切に

最後に、これだけは伝えたいと思います。
猫ちゃんの体調管理は、飼い主さんにとって何より大事なことですよね。
ごはん、トイレ、年齢に応じたケア……。
みなさん、とても一生懸命に「うちの子」の健康を守っていらっしゃると思います。
でも、その優しさの分だけ、自分自身のことを後回しにしていないでしょうか。

私もまさにそうでした。
「自分のことはあとでいいや」「そのうち病院に行こう」
そうやって先延ばしにした結果、たまちゃんに強制的に“検診予約”を入れられる形になりました。
どうか全国の飼い主さん、猫ちゃんと同じくらい、いえ、それ以上に、ご自身の身体も労わってあげてください。
「ちょっとおかしいな」と感じたら、面倒でも、一度検査を受けてみてください。
早く気づければ、選べる治療も、残せる時間も、ずっと増えます。
猫たちは、私たちにたくさんの癒しと幸せをくれます。
その子たちのためにも、私たち飼い主が元気でいることが、なによりの恩返しなのだと思います。

これからも、あなたとあなたの大切な猫ちゃんが、健やかで、穏やかな毎日を過ごせますように。
そして私も、たまちゃんとチコちゃんと一緒に、ゆるゆると未来へ歩いていきます。
これからも、どうぞよろしくお願いします。

