おかあさんを辞めておばあさんになった母

認知症の母と暮らして7年目。
現在、要介護3である。
一緒に暮らし始めて一年目、
母はある日、人生の配置転換を宣言した。
「今日からお母さんを辞めて、おばあさんになる」
突然の肩書変更。
それから私の母はもう居なくなった

人事通してないよぉ。
「お母さんはもう居ないから、そのつもりで」
なるほど、母、勝手に定年退職。
それ以来、家の中には

という、地味にややこしい状態が続いている。
洗濯物は増えるし、
冷蔵庫は一日5回開くし、
「これ誰の?」って聞くと
「知らない人の」って返ってくる。
いや、それ私の靴下。
母は今日も元気に

あの日以来、母は「私はおばあさんだから」を免罪符に生きている。
でも怒られるとこう言う。
「だっておばあさんだもん」
でた!でた!最強カード出た。
伝家の宝刀・おばあさんカード

財布を冷蔵庫に入れても、トイレットペーパーを仏壇に供えても、全部これ一言で無罪。
最近では、私が注意すると母は逆に優しい顔で言う。「あなたも将来こうなるのよ」脅迫する。
介護って、
身体が大変とか、お金が大変とか、よく言うけど、実際いちばん鍛えられるのはツッコミ力と諦め力だと思う。
母はおばあさんとして第二の人生を満喫中。
私は今日も
母が置いていった「お母さん」という役を、演じ続けています。


